個性は無限大 「蜷尾家/NINAO(二ナオ)」が作り出す台湾アイスクリーム

蜷尾家は、李豫(リ―・ユー)さんが29歳の時に、仲間と共に108万の投資で立ち上げたお店である。三坪の小さな店舗から東京、上海に進出した台南アイスクリーム屋の目標は、ハーゲンダッツより大きな企業になること、そして世界一のミシュランアイスクリーム専門店を目指すことである。

「蜷尾家/NINAO(二ナオ)」が作り出す台湾アイスクリーム

アイスクリームを食べると、幻想な感覚をリアルに感じ、口に入った瞬間の涼しさと嗅覚を刺激する香りは、暑苦しさから抜け出せることができる。蜷尾家(NINAO/ニナオ)の創設者である李豫(リ―・ユー)は、率直な言葉でその感覚を表している。「一瞬で解き放たれる感覚」と。

「小さいころの私は手の焼ける子どもだったと思います。」元警官である李豫さんの父は、現役時代に様々な事件を扱ってきたが、一番手ごわかったのが李豫さんだそうで、“絶対

悪事は働くな”という教育のもと育ったと語っていた。父の薫陶を受けて、 “アイスが好きだからアイスを売る、本気で好きだから本気でぶつかる。これが李豫さんのポリシーなのだ。
李豫さんによるば、「アイスを手にした瞬間、その時間と空間はすべて自分のものになり、どう食べるか、どこで食べるかも自分で決められる。」
撮影:鐘士為(ヂョン・シー ウェイ)

李豫さんが台湾で一躍有名になったのは、彼が台南正興街で人気のアイスクリーム屋さんを営んでいるからだ。1983年生まれの彼は、創業前はカメラアシスタントやインテリアショップ販売スタッフなどを勤めていた。2012年に、白い制服を身にまとい、アイスクリームを売ると決めたその時から、自分を料理人と位置付けたのだった。李豫さんは創業についてこう語っている。「アイスを売る商売をして6年になりますが、多くの人は私のことを企業家だと思っていて、めっちゃ稼いでるんじゃない?と思っているんですよ。でも、もし本当にうまくいってたら、今こんなに苦労してませんよ!」

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アイスが好きだからアイスを売る。李豫さんはアイスを嗜む文化を確立するために、アイディアを膨らまし、常に自分の歩む道を確認しながら、アイスに対する気持ちを行動に移してきた。本当に美味しい台湾アイスクリームを作ることは決して容易なことではないのだ。

2015年に東京で開催された「2015 Gelato World Tour (ジェラートワールドツアー)TOKYO東アジア地区選手権」に出場し、蜷尾家「爆米香荔枝蜜紅茶(La Dolce Vita di Te)」が見事2位に輝き、蜷尾家のジェラートが一躍世界に躍り出たのだ。「ここ二十年、皆さんは抹茶アイスばかり食べていました。今後は台湾の紅茶が選択肢の一つになるのではないでしょうか。」海外の大会に出場することは、自分のアイスを認めてもらうためだけではない。大切なことは、世界の大会の中で自分のモノを認めてもらうことは、より多くの人がアイスを一種の料理と分かってくれる人が増えることなのだと語っていた。

「仮に、ワンコインで昼食を買いに行ったとき、その場での一番のニーズは、作り立てのを食べられること。だけど、アイスクリームは違う。」より美味しいアイスクリームを食べたい人は、真っ先にハーゲンダッツやMeijiが頭に思い浮かぶだろう。しかし、それらは全て外国のアイスクリームである。では、台湾アイスクリームというブランドは、いつ出来上がるのだろうか。李豫さんは、「同じ豚ひき肉料理でも、なぜイタリアのボローニャミートソースは200元もして、台南の肉燥飯は30元だけなのか。」彼はこのような問いかけのもと、次から次へと実行に移してきたのだ。

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李豫さんのこだわりは、人を惹きつけ、人が褒め称えるようなアイスクリームを作ることなのだ(撮影:鐘士為)

蜷尾家が爆発的人気を博した翌年、李豫さんはイタリアへ赴き、本格的なジェラートの作り方を学んだ。2014年にはジェラート専門店NINAO Gelato(二ナオジェラート)を立ち上げ、三階建てのコンクリート塀の建築物の中は、李豫さんが普段から集めているコレクションを置いた自分の趣味と好みを敷き詰めた空間になっている。店内では、まるで美術館でアイスクリームを食べているような感覚を楽しめることができるのだ。製法や乳脂分の含量が異なる中で、アイスクリームは口に入れたときの触感の滑らかで、ジェラートはきめ細かく、より深みのある味になっている。天然の植物油脂を含むヘーゼルナッツ味やチョコレート味のアイスであれば、アイスをのせた舌を下あごに傾けることで、鼻で香りを楽しみ、呼吸と共にアイスの奥深さを堪能できることができるのだ。

「アイスの最適保存温度はマイナス10度から12度で、人の平均体温は35度。アイスを一口食べると、口の中は50度近くまで上昇して、一瞬温泉の湯より熱くなるんです!」科学的な視点からアイスクリームと人体の物理的反応と化学変化を分析し開発されていくアイス。この食材と舌の更なる絶妙なセッションに期待が高まっていくのだ。

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Free Styleは、李豫さんが考案した新しい味である。材料は西洋梨のすりおろし、アブサン、チョコレートを用いて、思うがままに作ったアイスクリームである。口に入れた瞬間、ほのかな甘草の香りとのどを通り過ぎる時に感じるリンゴの香りの余韻を堪能できるのだ。開発過程では、李豫さんの大胆さが体現されており、味覚のバランスが取れれば、それで良しとされている。李豫さんの説明は時折分からなくこともあるが、実際に行動すれば、程よく物事を把握しているのだ。「アイスを食べることはとても直感的なことなので、一口目でお客さんの心をつかまなければならないのです。」というように、李豫さんは一口味見をした後、アイスを食べ終えた後の味を予想しながらアイスを開発している。例えば、紅茶ソフトクリームなら後味にほろ苦さを加え、適度な砂糖量を正確に把握して、ほろ甘さを加えているのだ。

毎年新たなコラボレーションアイスが出品されている。写真のアイスは、舊振南餅店とコラボして開発した「綠豆椪雪餅」。濃厚な台湾の味を堪能できる一品だ。

従来に見られるアイス業界の枠を破り続け、2017年には上海でポップアップ・ストアを開き、2018年にはコンビニとコラボし、限定贈答用エッグロールアイスを販売した。これらは彼が掲げる「ハーゲンダッツを抜き去り、ミシュランガイドに登録される」という目標なのである。「話題になればブランドは成長するそして今後は3年から5年の時間をかけて日本、中国、そしてヨーロッパ市場に展開する」と語っていた。

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最後に、本編では食べ物の価値というもに触れてきたが、大きな声で夢を語ることは、全力を尽くし、自分に悔いのないようにするためなのである。アイスを売る初志を忘れないのは、李豫さんが台湾人を感動させるアイスを作りたいと一心に思っているからである。

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関連サイト
蜷尾家(NINAO/二ナオ)
台南市中西区正興街92号
Facebook:蜷尾家 甘味。。。散步甜食
交通アクセス: 2番バスに乗車後、「郭綜合醫院」で下車。

NINAO Gelato
台南市安平区安北路720号
Facebook:NINAO Gelato 蜷尾家 經典冰淇淋

*作者:楊芷菡 微笑台湾『2018草根款款行III』より抜粋,原文出處

心の故郷との再会 台南の街並みと人情をじっくり満喫

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