旧台南水道浄水池区 人知れずの百年古跡を探し求めて

人知れずの神秘的な台南水道浄水池区を探し求めるため、台南の緑線のバスに乗り込んだが、思いのほか、国家指定古跡の奥深い水文学について知ることができたのだった。ちょうど我々の前を通りかかった蒙(モン)さんはスリッパで自転車に乗りながら「うちのオヤジが前そこで勤めてて、それで儂の生まれも育ちも山の中だったんだ。」と話していた。

人知れずの百年古跡を探し求めて

台南水道濾過機室にて

九十年前、山の上で濾過された一万トンの水が、地下水路を通って10万人の府城人の生活を支えていた。

人知れずの神秘的な旧台南水道浄水池区を探し求めるため、台南の緑線のバスに乗り込んだ。そして、偶然にも国家指定古跡の奥深い水文学について知ることができた。バスから降りたときから始まった偶然。台北出身の二人は、道端ら荷物の整理をしながら、今後の予定について話し合っていると、「どこに行くんだい?」とちょうど我々の目の前を通りかかった60歳ぐらいのスリッパで自転車に乗っている蒙(モン)さんが、声をかけてきた。旧台南水道浄水池区を探していることを伝えると、「ああ、そこはうちのオヤジが前そこで勤めてて、それで儂の生まれも育ちも山の中だったんだ。」と誇らしげに話していた。

話しているうちに分かってきたのが、台南の水道にはバイブルともいえる所が二か所あって、一つは原生林の中、もう一つはおよそ180段もある石の階段を上った先にあるとのこと。

二人は、まず原生林の中にある水源地を探すべく目的地へ向かった。ヤシの木の道に沿って進み、目的地の入り口にある「水」と書かれた大きな門をくぐりぬけた。中に建てられた赤レンガの建築物の由来について調べようと思った矢先、偶然にも仕事で水源地にやってきた台湾自来水公司(台湾水道水会社)の第六区管理局副総理である王英銘(ワン・イン ミン)さんと現地の解説員毛博玄(マオ・ブォ シユェン)さんに出会ったのだった。英銘さんうれしそうに「毛さんは浄水場の操作が本職で、毛さんの父親が私の師匠なんですよ。」と話してくれた。

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そして、一緒に濾過機室に足を踏み込むと、そこの空間全てが、撮影場所にいるような雰囲気で、粛然として気が引き締まるような気持ちになったのだった。

台湾ひのきで作られた屋根に、鉄製のロッド式の伸縮継手、両側には14台もの高速濾過装置が配置されている。1922年にイギリスから輸入してきたもので、全ての装置が左右対称で並べられている。「今も現役で使用できるんですよ。ほら、あのボルトや回転盤も細部に至るまで全て精巧な作りになっているんです。」と英銘さんが室内の設備について説明してくれた。


 
ここの設備の美しさは細部に加えられており、100年前の智慧に驚嘆するばかりだった。

もう一つの背の高い建物は「ポンプ室へ送り出し室」は、地上の水道蛇口のことを指している。「あ!うちのご先祖様を踏まないようにお願いしますよー!。」と毛さんは台湾式ジョークを言い、加圧ポンプの上を跨ぎながら、家族を紹介しているかのように、様々な器械について紹介してくれた。「私は小さいときからここらへんで遊んでました。ここが現状維持されてること自体とてもありがたい話ですね。」1992年からここで勤務した毛さんは、第二次世界大戦の際に着いた銃弾の傷跡も紹介してくれた。

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二つの建造物の設計者は、かの有名な技師八田与一の上司で「台湾水道水の父」とたたえられて濱野弥四郎である。明治時代に、彼は台湾で10年間にもわたる水道建設を通して、当時の台南飲用水の衛生管理を徹底的に改革したのだ。入り口付近に設置してある濱野の銅像は、奇美実業(CHIMEI)の創始者許文龍によって建てられたものである。

山の中にひっそりと佇む旧台南水道浄水池区は、水の浄化以外にも、自然環境の保護にも一役買っているのだ。

古宅の隣に、原種の羅漢松が立ち並び、一番前にそびえたつ羅漢松の木目が非常に目を引く。毛さんは、また冗談交じりで「この方(樹)が本家家元で、その後ろの方たちがその子孫たちです。」と言った。「樹を見れば一目瞭然ですね。こんなにも大きく育ったのは品質が良い水を摂取しているからです。」と王さんとその同僚たちは樹を見ては感心していた。また、毛さんによると、この地が開幕されたばかりの時に、当時の日本の皇太子が黒松を植えたおかげで、日本の観光客がよく見に来るそうだ。

昔の旧台南水道浄水池区が通ってきた道に沿って進み、両脇に竹林と相思樹がぎっしり詰まった石階段を登った先の南方側の丘に浄水池がある。毛さん曰く、ここにはある智慧が用いられているそうだ。「地下の水道が加圧されて上流に行き、出水は重力で台南まで送り出します。そうすることで水道管の破裂を避けるリスクを低めることができるんです。」足音に気を付けながら貯水槽水道に入ると、台湾の文化資産である鼻葉蝙蝠が寝てる姿も見ることができた。今では蝙蝠の家でもあると同時に、生態保育が行き届いた環境ともいえるだろう。

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天然の石材で建てられた浄水池は、水資源を死守することを誓った砦のようで、その砦に刻まれた「南水」の文字は、過去の輝かしい実績を示しているようだった。「水資源は非常に貴重なモノで、誰のものでもなく、皆が一丸となって守っていかなければならないのです。」と王さんは重みのある言葉を我々に教えてくれたのだった。

来ないと分からない奥深さ。それは山の旅で、思いがけず百年古跡に足を踏み入れてしまったお話である。

おすすめスポット

原台南水道水源地(旧台南水道浄水池区):台南市山上区山上里16号
淨水池区:台南市山上区新莊里新庄59之18號号
交通アクセス:台南バス綠線に乗車し、新化駅で下車後、綠10番に乗り換え。水源地駅で下車後,徒歩約10分で到着。
また、淨水地区を参観する場合、先に予約が必須。また、水源地は現在工事中

*原文作者:張惠萱 微笑台湾『細感台南』より抜粋,原文出處

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「再会」という風が吹く台南。台南人のみならず、台湾全土の人が幾ばくかのノスタルジアを感じる台南。訪れたことない人も、訪れたことがある人も「また来たい」と思ってしまう台南。台湾の歴史は台南から始まり、台南に訪れることは、台湾の歴史に触れるということ。また、「台南は一人では満喫できない」。なぜなら、友だちと共に楽しみ、共に分かち合える素晴らしさが台南にたくさん詰まっているからだ。

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